さようなら、水星の人よ［親愛なるあなたへ　収録］

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『さようなら、水星の人よ』＋『親愛なるあなたへ』

『さようなら、水星の人よ』
「私ね、人を殺したことがあるの」
僕があの美しい人に出会ったのは、あの石橋の上だった。あの冬の夜、僕は思わず彼女のもとに駆け出してしまう。欄干から身を乗り出した彼女は、なぜか死のうとしていたから——僕の葛藤、彼女の秘密、二人は一体、どこへ向かうのか。「僕」と「私」の二人で織りなされる、新感覚のラブストーリー。最後のページに隠された真実に、あなたはきっと驚愕する。

『親愛なるあなたへ』
「だけど、もし、誰かの心にずっと残る何かがあるとするならば、それは、送ったものだと思うんです」
最愛の彼氏、和人を亡くした小川真由佳は、彼の四十九日に参加する。悲しみに打ちひしがれる彼女に手を差し伸べたのは、『さようなら、水星の人よ』の主人公、清水裕理だった——実在する誰かをモデルに描いた、美しすぎる後日談がここに。